【8月の法話】 先祖仏について 8月1日
常真寺 住職 【緑蔭禅の集い 主幹】 皆川 廣義
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仏教では、亡くなった人を教えにもとづいて葬儀をし、法名(ほとけとしての名前)をつけて、仏とします。
仏には、仏教を開かれた本尊仏であるお釈迦さまと、代々仏教を伝えてきた祖師仏と、仏教の葬儀により法名をいただいた先祖仏の三種の仏がいます。
人は亡くなると仏となるのではなく、仏教の教えにもとづいて葬儀をして法名をつけていただき、初めて仏となるのです。
葬儀は、本尊のお釈迦さまより、教えを代々伝承してきた祖師仏(菩提寺の住職)が司祭し、法名をつけて亡き人を仏とする儀式であります。常真寺住職である私は、お釈迦さまより、九十三代の祖師仏です。私を導師として葬儀をされた人は、お釈迦さまより、九十四代目の先祖仏となります。
このことを図で示したものが『お血脈』で葬儀の折、亡くなった人に授与されます。お血脈は、骨壺に入れられ、先祖仏になったことが永遠に証明されるのです。お血脈は、第一代のお釈迦さまより住職までの祖師仏の名が記され、次に住職より仏となった人の法名が記されています。これらが赤い一本の線(血脈)で結ばれて一体の図となっているのです。
つまり、亡き人は、仏教の葬儀をし、住職より法名とお血脈をいただかないと仏となり、先祖仏になれないのです。最近、僧侶なしの葬儀がおこなわれているとのことですが、これでは、仏にはなれません。単に亡くなった人で、まもなく残された人々より忘れられて無化されることになるだけです。
仏教では、仏となった亡き人を、菩提寺と仏壇と墓の三カ所におまつりし、家のつづくかぎり、子孫は先祖仏として供養しつづけるのです。
この子孫の先祖仏供養により、私たちは、子孫の生命と信心のなかに、永遠に仏として生きつづけることができるのです。
人は、亡くなることにより、身心を無化し、外なる存在は無くなってしまいます。亡くなった人のあの世などないのです。
この亡き人との断続の悲しみのなかから、残された人々は、お釈迦さまの教えにもとづき、自分の生命のなかに亡き人と同じ生命が生きていると悟り、心の中に亡き人の全生涯を記憶し、これにもとづいて、葬儀を通して心のなかに新帰元し、仏(法名)として誕生させるのです。葬儀は、亡き人の仏としての誕生日となるのです。そして、四十九日までに供養をつづけ、生きていたときと同じ等身大の仏に育てあげ、生涯この等身大の先祖仏と祈りを通しての対話をし、その対話のなかに悟りと安心をさずかって行くのであります。
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(駒澤大学名誉教授)
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