【8月の法話】 「お盆の迎え火」 8月1日
常真寺 住職 【緑蔭禅の集い 主幹】 皆川 廣義
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仏教では身近な人が亡くなりますと、菩提寺の住職が司祭して葬儀を行います。そして、お釈迦さまより仏さまの名前(法名)をいただき、人間より仏さま(悟りと安心を得た人)になっていただきます。
葬儀をして仏さまになると、悟りと安心を得て人間のときのように苦しむことはありません。ただ、仏さまは、残してきた私たちのことを色々と心配しています。ですから、私たちは仏さまの教えを信じ、実践して幸せになり、仏さまの心配を取りのぞかねばなりません。
仏教では、亡くなって仏さまになった方を、菩提寺と仏壇とお墓の三か所に、仏さまの名前を記しておまつりします。私たち仏教者は、亡くなると仏さまになり、菩提寺と仏壇とお墓にまつられるのです。決して天国に行くのでもなく、草葉のかげに行くのでもありません。
この三か所にまつられた仏さまは、外なる仏さまです。お釈迦さまは、外なる仏さまへの礼拝供養することを通して、自分の生命と信心の中に外なる仏さまをお呼びして内在化し、内なる仏さまとしていだいていきなさいと説き示しています。
つまり、仏教では、外なる仏さまと内なる仏さまの二つの仏さまをもっているのです。外なる仏さまを荘厳し、礼拝供養することにより、内なる仏さまも同時に荘厳し、礼拝供養され、豊かになります。また、内なる仏さまが豊かになると、外なる仏さまをより美しく荘厳し、供養するようになります。このようにして、外なる仏さまの供養と内なる仏さまの供養が、相互に関係しながら、私たちの信仰が深まっていきます。
信仰が深まってくると、自分の生命と信心の中に、仏さまが共に生きていただくことになります。共生していただいている仏さまは、自分もよく知った仏さまとなり、仏さまも自分をよく知っていただくことになります。このような心の関係が生まれるから、祈りを通して、仏さまに色々と相談したり、助けを求めたとき、仏さまは適切に手助けしていただけるのです。
私たちは、信仰を通して仏さまと共生する中に、仏さまの功徳を共有させていただいくことができるのです。そして、仏さまより、悟りと安心がさずかるのです。亡くなった方が、葬儀を通して仏さまになるということは、私たちの信心の中に、仏さまとの共生・共有が生まれることなのです。
仏教では、私たしたちの信仰の中に仏さまの共生、共有を作りだすために、まず、外なる仏さまをおまつりします。また、常に菩提寺におまいりし、仏壇におまいりし、お墓におまいりすることを通して、内なる仏さまを豊かにするのです。
お盆のとき迎え火を焚いてお迎えするのは、このように、外にまつり、内にまつっている私たちの仏さまをお迎えするのではありません。真の仏教者には、自分の仏さまは常におまつり、礼拝供養しているから、お迎えする必要がないです。お盆のとき迎え火を焚いてお迎えする仏さまは、子孫がいなくなって無縁になった可哀想な仏さまたちを、年に一度自分の仏さまをまつるところにお呼びして、共に礼拝供養するためであります。
お盆は、自分の仏さまと、無縁になった仏さまを、年に一度、共に御供養、礼拝する慈悲の法事です。
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(駒澤大学名誉教授)
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常真寺 平成21年8月の
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