【11月の法話】 「突然の死」 11月1日
常真寺 住職 【緑蔭禅の集い 主幹】 皆川 廣義
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このたび四十を越したばかりで、突然亡くなられた方の葬儀をさせていただきました。
残された奥様とお子様の悲しみは、参列している者にとっても忍ぶに耐えられないものでありました。参列者全員が嗚咽(おえつ)しました。葬儀の司会者も、声を出して泣き出して、進行が中止されてしまいました。
このような不条理で受け入れることのできない深い悲嘆を、仏教を開かれたお釈迦さまは二十代後半に体験されました。
お釈迦さまは、この死の不条理と深い悲しみ、苦しみのなかより解脱して、安心を得たいと願い、国王への道を捨てて、宗教者となられて修行されたのです。
幸いにも、お釈迦さまは、六年の求道の後にブッダガヤの菩提樹下の坐禅修行中に、この問題解決の道を発見されました。
お釈迦さまのお悟りの内容は、まず、自分は三世十方の生命であるという自覚でした。私たちは、自分が生命を持っていると思っていますが、それは間違いであって、生命が自分を持ってくれているのです。私より、私のなかにある生命の方が主人公であるのです。私のなかにある生命は、両親よりいただいいたもので連なっています。それぞれの両親もまた、その両親よりいただいたもので、さかのぼるとこの地球上に生物として生まれてから、私まで連続して生き続けている生命であります。そして、これから未来へ、永遠を求めて生きんとしている生命であります。この過去より現在へ、現在より未来へ生きんとしている生命のことを、三世の生命とお釈迦さまは呼んでいます。また、この三世の生命はすべての生物をつくりだしているものでもあるので、十方の生命と呼んでいます。
お釈迦さまは、自分が三世十方の生命であると悟り、この三世十方の生命のあり方(実相(じっそう))のなかに、死の矛盾を明らめて人生の目的を悟り、死苦からの解脱して安心を得る道を発見されたのです。
お釈迦さまは、多くの人々に身近な人の死に直面し、その人の生命の断絶を知る悲嘆のなかから、三世十方なる生命を学び、自覚して、安心と生きがいのある道を発見していただきたいと説き示しています。
私たちもお釈迦さまのこのお示しにしたがって、お釈迦さまの生涯や教えを学び、お釈迦さまを信仰し、修行して、この死の悲嘆より解脱して、安心を得なければなりません。
寺は、お釈迦さまを信仰し、修行する人たちのグループ(僧伽(さんが))であります。住職を中心として、檀信徒の皆さんが修行集団をつくり、修行仲間となって、切磋琢磨しなければなりません。この寺の僧伽の様々な活動に参加して、仏教者の課題である人生の目的を悟り、死苦を解脱して安心と生きがいをつくって行きましょう。このために寺では朝夕の先祖仏供養法要、一泊参禅会、日曜法話、常真寺だよりの発刊配布、子どもの集い、仏像彫刻教室、合宿研修、新春祈祷法要、御年始廻り、両彼岸とお盆の棚経、除夜の鐘などを行なっています。
是非、これらの活動に参加していただき、自分の仏教の課題を解決して、安心と生きがいのある人生をつくりだしましょう。
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(駒澤大学名誉教授)
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常真寺 平成20年11月の
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