【9月の法話】 お彼岸会 9月1日
常真寺 住職 【緑蔭禅の集い 主幹】 皆川 廣義
|
お彼岸会は、春秋の好時節に私たち仏教徒が仏(ほとけ)さまの教えを学び、信仰することにより悟りと安心を得る修行期間です。
苦しみの世界(此岸)より、安らかな世界(彼岸)に行くというの「彼岸」という言葉の意味です。
仏教をひらかれましたお釈迦さまは、二十代の後半になって自分は死にたくないのに死をつくる矛盾をもっており、生死の苦悩があると苦しみの世界を自覚されました。
そして、この苦しみの「此岸」より、死の矛盾を明らめて人生の目的を悟り、安心や生きがいのある「彼岸」に行きたいと考え沙門という宗教者となり、求道されたのです。
私たちにも、お釈迦さまと同じ死の矛盾と生死の苦悩があるわけですからお釈迦さまの教えにより、苦しみの「此岸」より安らぎの「彼岸」へわたらねばなりません。そのため彼岸会があるのです。
幸いにもお釈迦さまは、六年の沙門としての修行の後に、ブッダガヤの菩提樹下の坐禅中に成道し、人生の目的を悟り、生死の苦悩からの解脱道を発見され、安心を得られました。
お釈迦さまにとっては、この菩提樹下での成道にいたるまでが「此岸」であり、成道後よりクシナガラで亡くなられるまでが「彼岸」でありました。
このような「彼岸」の意味より、日本の仏教は、四季のなかで春と秋のよい時節に苦しみより安らかな世界に行く「お彼岸会」という行事をもっているのです。
お釈迦さまは、この苦しみの「此岸」より安らかな「彼岸」にゆく道として三帰依と六度の教えを示しています。
三帰依は、仏さまと、その教えと、仏さまと教えを信じるグループ(サンガ)をよりどころとし、信仰し生きることです。
仏さまは、仏教をひらかれたお釈迦さまと、そのお釈迦さまの教えを私たちへ伝承してきてくれた祖師仏と、その祖師仏である菩提寺の住職による葬儀により仏となった先祖仏の三つに分けられます。このお釈迦さまと祖師仏と先祖仏の生涯と教えを学び、悟りと安心を得るよりどころとし、信仰していきましょう。
また、この三つの仏さまを信仰する寺サンガのメンバーとして活動に参加し、それにより家サンガの活動を充実させましょう。そして、寺サンガと家サンガのメンバーを信じ、たよりとして、自分の悟りと安心をつくってゆきましょう。
六度とは、苦しみの「此岸」より安心の「彼岸」にわたる六つの道という意味で、悟り(菩提)を得る①正しい生活をする持戒 ②教えを聞法精進する ③聞法したものを坐禅し、自分の智慧にする禅定 ④坐禅瞑想によって生まれた自分の智慧を、サンガのメンバーに語り、メンバーの普遍智とすることと、安心を得る⑤我執をすてる忍辱 ⑥煩悩をすてる布施の六道になります。
お寺の活動を通して、このお釈迦さまの三帰依、六度の教えを学び、実践して苦しみの「此岸」より、安らかな「彼岸」にわたりましょう。
|
(駒澤大学名誉教授)
|
|
|
常真寺 平成19年9月の
Photo Gallery
|
日 月 火 水 木 金 土
01
02 03 04 05 06 07 08
09 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 * * * * * *
|
管理人の都合により Photo Gallery の写真UPを お休みさせて いただいております。 暫くお待ちください。
|
|
|